式年遷宮│伊勢神宮.com

伊勢神宮.com 百二十五のお社をあわせて「神宮」すなわち「伊勢神宮」と呼びます。

伊勢神宮 式年遷宮

伊勢神宮では、20年に一度「式年遷宮」が行われます。
「式年」とは、定められた年を意味し、「遷」は、移るという意味、「宮」は、神様のいる場所を表しますので、神様の家である「社殿」を決まった年に引越しするという行事のことです。
この伊勢神宮の式年遷宮が始まったのは、飛鳥時代です。
大海人皇子(おおあまのみこ)は、壬申の乱で、大友皇子(おおとものみこと)と皇位継承権を争い、勝利を収め、天武天皇として即位しました。
この時、伊勢神宮に勝利の祈願を行ったそうで、伊勢神宮を遷宮制にしたいと思いました。
それまでは、社殿が破損したら修理するという方法でしたので、遷宮制になれば、「神宮」が常にきれいな状態を保つことができると考えたようです。
しかし、天武天皇の在位中には果たすことができず、その后の持統天皇が、690年に内宮の、692年に外宮の遷宮を行いました。
1300年ものあいだ続けられてきた式年遷宮ですが、室町時代の後半になると、戦乱の影響で遷宮が途絶えてしまいました。
124年間中断されていましたが、1585年(大正13年)に遷宮が復活しました。
こうして、2013年には、第62回の式年遷宮が行われました。

第62回式年遷宮は、社殿をうつす8年前から行事が始まりました。
式年遷宮では、30以上もの行事があり、まず、社殿を作るのに必要なヒノキの切り出しの無事を祈る「山口祭」から始まります。
その後、ご用材を宮域に引き入れる「お木曳行事」、新宮を建てる新しい土地(新御敷地=しんみしきち)で造営の安全を祈る「鎮地祭」、架け替えられた宇治橋の「宇治橋渡始式」、正殿の棟上げを行う「上棟祭」、完成した新宮のすべてを洗い清める「洗清(あらいきよめ)」などを経て、内宮では2013年10月2日、外宮では10月5日に、正宮から新宮に御神体をうつす「遷御の儀」がとりおこなわれました。
内宮では、「御(ぎょ)」とよばれる御神体である八咫鏡(やたのかがみ)が、「絹垣(きんがい)」とよばれる白い絹の布に覆われて、神職百数十人からなる「御列(ぎょれつ)」によって、雅楽が流れる中、新正殿にうつされました。
この式年遷宮では、社殿だけではなく、橋、鳥居、御装束、御神宝など、すべてが新調されます。
第62式年遷宮では、計714種1576点もの、武具や楽器などの「御神宝」、帳(とばり)などの「御装束」などが新調されました。

伊勢神宮 式年遷宮について